巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

昔ばなしの楽しみ方



昔ばなしというのは、なかなか含蓄があっておもしろい。

【舌切り雀】というお話は、雀は、若い娘を象徴しています。
おじいさんは、若い娘を可愛がり、おばあさんは嫉妬して、その娘の舌をチョン切ってしまう話しです。


【浦島太郎】のお話では、最後に太郎が『玉手箱』を開けるとたちまち年寄りになるというものですが、乙姫は、なぜ玉手箱を太郎に、何も言わずに渡したかが書かれておりません。

おそらく、それは乙姫の嫉妬なのです。
いとしい男が、自分の元を去って行くとき、乙姫は人間をたちまち老化させるウイルス入りの煙が詰まった玉手箱を渡したのかも知れません。

あるいは太郎は、本当は、とっく老けていてもう老人の体になっていた……、ただ、それを自覚することができなかったため、玉手箱の中の煙を嗅ぐことで、何らかの覚醒作用がおこり、自分の本当の姿を知ってしまうとか……


【アダムとイヴ】の物語では、禁断の木の実を食べたあとに、アダムとイヴは、急にすっぽんぽんでいることが、恥ずかしくなってきて、腰に葉っぱをつけて隠そうします。

禁断の木の実は、別名【知識の木】【善悪の木】ですから、その実を食べたあと、ぼんやりとしていたアダムとイヴは、急に頭が良くなっちゃって、裸でいることが恥ずかしいと思うようになったんですね。
つまり、性に目覚めたわけだ。(笑)
事実、その後、彼らは子どもを作っております。

あるいは人間という種は、ただのサルから服を着ることで性を意識するように進化したというお話しかも知れない。



かくのごとく、昔ばなしに、ちょっと“想像”というスパイスを振りかければ、また違った面が見えてきたりしますね。


巨椋修(おぐらおさむ)拝