巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

森のクマさんの狂気


♪ある日 森のなかクマさんに 出会った
花咲く 森の道クマさんに 出会った

クマさんの いうことにゃお嬢さん おにげなさい
スタコラサッササノサ〜 スタコラ サッササノサ〜

ところが クマさんがあとから ついてくる
トコトコ トコトコとトコトコ トコトコと

お嬢さん お待ちなさいちょっと 落とし物
白い 貝がらのちいさな イヤリング

あら クマさん ありがとうお礼に 歌いましょう♪
ラララ ララララララララ ラララララ








まず最初にいうべきことは、この童謡はおかしい!
















もしあなたが森林で熊にであったとしよう。






そのときの心理としては、



















恐怖! 









パニック! 













ましてや禽獣である熊が、


























「お嬢さん、お逃げなさい」























などと人間の言語を話すとしたら!?

















お嬢さんは、恐怖のあまり発狂したと考えるのが、普通だろう!


















ここで、もうひとつの解釈が成り立つ。


クマさんは動物の熊ではなく、山に住む熊五郎とか、熊八とかいう人間であるかも知れない。




そうすると、なぜこのクマさんは

「お嬢さん、お逃げなさい」

などと言ったのか?



常識的に考えると、クマさんは山賊か何かで、森を歩くお嬢さんをいたぶるために、


「うひゃひゃ〜、お嬢さん、逃げろよ〜、うけけけけっ」


と言ったのではないだろうか?

それとも、クマさんは精神を病んでおり、自分の意思では制止することができないため、逃げるように示唆したとも考えられる。



















んが!


















ここでさらに、もう一つの疑問が起こるのだ。

お嬢さんの逃げ足である。

歌にはこうある。
















スタコラサッササノサ〜 スタコラ サッササノサ〜



















軽やかだよ。




命からがら逃げるにしては、軽やかすぎる逃げ足の音だよ。スコララサッサって。



















その後にクマさんは、

「イヤリングを落としましたよ」

と、言ってくれるのだけど、落とし物を拾ったなら、なぜ

「お嬢さん、お逃げなさい」

などと言ったのであろう?



























言語と行動がまるで分裂している。





















さらに、このお嬢さんは、いきなり歌い出すのだ!!












どう考えても、このお嬢さんおかしいよ!










狂ってるとしかいいようがないよ!

















このような狂気に満ちた歌を、いたいけな子供たちに歌わせる大人たちも、どうかしてる!


狂っている!


この世は狂っているのだ!
けけけけけ!