巨椋修(おぐらおさむ)の新世界

作家・漫画家 巨椋修(おぐらおさむ)のブログ。連絡先は osaogu@yahoo.co.jp

宗教が終末論を語りだすと危険だ!


 先日、オウム真理教の代表だった麻原彰晃死刑囚ら計七人の死刑が執行された。地下鉄サリン事件など十三もの事件を起こし、犠牲者は二十九人。地下鉄サリン事件などで計六千五百人以上が被害者となった。


 麻原らオウム真理教が、地下鉄に猛毒サリンを撒いた目的の一つは、彼らが言っている『ハルマゲドン』つまり、地球の最後を自作自演するためであった。


 宗教が終末論を語りだすと非常に危険だ。


 1993年、キリスト教プロテスタントからカルト化したブランチ・ダビディアンは、信者達だけが最終戦争に生き残ることを神に認められた民と信じ武装化。FBIと銃撃戦の末、教主は80人の信者を道連れに自殺した。


 1994年、10月にスイスとカナダで53人(うち子供16人)が集団自殺した太陽寺院も終末論を信じていた。


 1997年、アメリカのヘヴンズ・ゲートというUFOを信仰する宗教は、終末が近づいているためヘール・ボップ彗星の出現の際に一緒にやってくるUFOに招かれるのを目的に、39人が集団自殺した。


 などなど、大きな事件は起こしていませんが、他にも『エホバの証人』などハルマゲドン(神による人類滅亡」をうたう宗教団体はたくさんある。



エホバの証人の機関紙『目ざめよ!』と『ものみの塔』、彼らは世界の終わりを待ち望んでいる)


 終末論を強く打ち出す宗教だと、その信者は大災害が起こったり戦争が起こったとき、それを『終末のしるし』として、喜ぶ傾向があるのだ。


 彼らは、世の中が終わりに向かっている、つまり戦争や大災害、犯罪が増えると、むしろそのことが予言、もしくは預言の成就が近づいたと考える。


 信者ではない人にとって、信じられないかも知れないが、カルト宗教とはこういうものなのであろう。


 さらにもともと、キリスト教には終末論があるが、それがカルト化すると、暴走する傾向があるのかも知れない。


 オウム真理教は、仏教系といわれるが、仏教よりむしろオカルト色が強い。


 先に挙げた教団が、事件を起こしているのは90年代という世紀末であることや、当時『ノストラダムスの大予言』が世界的なブームであったことを考えれば、娯楽として楽しむオカルトも場合によっては危険となることがあることも、知っておいた方がいいだろう。



巨椋修(おぐらおさむ)